犬猫の健康
2021年4月2日 金曜日
犬糸状虫症(フィラリア症)について
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上の写真は、何だと思われますか。
”もやし”のような形をしたものは、フィラリアの成虫です。
フィラリア症について受ける質問を以下に記載します。
Q1. フィラリア症はどのようにして蚊からうつるのですか?
感染した犬の血液中には
フィラリアのミクロフィラリア(仔虫)が多数います。
蚊はその仔虫を血液とともに吸い込み、
他の犬を刺したときに
成長した仔虫がその犬の体内にはいって感染します。
フィラリア症は一言で言うと、
蚊が媒介する寄生虫の感染症といえます。
Q2. 血液中のフィラリアの仔虫が全部成虫になるのですか?
血液中の仔虫は成虫にはなりません。
吸血時に蚊の体内に入り、そこで成長した仔虫だけが
他の犬を吸血する時に体内に入り込み成虫になります。
Q3. フィラリアの成虫は体のどこにいるのですか?
心臓内、肺の動脈などに寄生しています。
従って、腸内の寄生虫のように
人の目に触れることはありません。
言い方を変えると、フィラリア症は、心臓病の一種です。
Q4. 予防薬投与はなぜ5月末から11月末までなのですか?
正確に言うと
予防薬は、筋肉内にいる仔虫を殺す薬です。
約1ヶ月間蚊によって媒介された仔虫は筋肉内にいるので、
月に1回薬を投与し、仔虫を殺します。
感染して1ヶ月を過ぎると
仔虫が血管内に移動し薬が効かなくなります。
毎年メ-カ-より発表されるデ-タによって福岡では、
5月中旬より感染が始まり、11月中旬に感染が終わります。
よって予防薬は、5月末から始め11月末まで投与すれば、
ほぼ100%感染は防げます。
Q5. フィラリア症に感染すると死亡するのですか?
フィラリア症は寄生虫の感染症ですので、
感染するとすべて死亡するというようなことはありません。
感染した仔虫が成虫になるのに約半年かかります。
一般的には、予防せずに感染した場合毎年感染数が増え、
徐々に症状が出てきます。
しかし、成虫の長さが約20cmの寄生虫ですので、
小型犬が感染すると急激に重症化する可能性があります。
Q6. フィラリア症の症状はどのようなものですか?
フィラリア症は慢性の心臓病です。
初期から中期にかけては症状が出ません。
進行すると、
運動時の咳、やせてくる、毛づやが悪い等の症状が出て、
末期には、腹水がたまったり、失神したりします。
Q7. フィラリア症に感染した場合の治療は?
根本的な治療は、成虫の駆除になりますが、
簡単にはいきません。
その他、何種類かの内服薬を投与することになります。
フィラリア症は予防は簡単ですが、
感染すると、その治療は簡単ではありません。
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